「AIでLINEスタンプを作れるらしい」と検索すると、アプリ・Webサービス・比較ランキングがいくつも出てきます。ところが並べて見ても、何が違うのか・自分にはどれが合うのかが分かりにくいのではないでしょうか。作れる枚数も、値段も、仕上げまでやってくれるかどうかも、サービスによってまるで違うからです。
この記事では、個別のサービス名を挙げて順位を付けるのではなく、「どの観点で比べれば失敗しないか」を整理します。観点さえ持っていれば、新しいサービスが出てきても自分で判断できます。
結論: AIでLINEスタンプを作る方法は大きく4種類
まず地図を持っておくと迷いません。世の中の手段は、次の4つに分けられます。
| 分類 | 作り方 | 費用の考え方 |
|---|---|---|
| ① 公式アプリ型 | LINE公式の「LINEスタンプメーカー」で、手持ちの写真・動画を切り抜き、文字や装飾を足して1枚ずつ仕上げる | アプリ自体は無料 |
| ② 写真加工アプリ型 | 汎用の写真加工・デザインアプリのテンプレートを使って1枚ずつ作る | 無料〜。一部の素材・機能が有料のことがある |
| ③ AI自動生成型 (STAMP ENGINEはここ) |
写真1枚、またはことば(キャラクターの説明)を渡すと、表情違いのスタンプを一括生成する専用サービス | 有料が中心(相場は数百円台) |
| ④ 汎用AI自己操作型 | 汎用の画像生成AI(チャット形式のAIサービスなど)に自分で指示を書き、1枚ずつ出力させる | 無料枠〜月額 |
③と④は「AIで作る」という点では同じですが、手を動かすのが誰かがまったく違います。④は指示文の作成・キャラクターを似せるための試行錯誤・画像の再アップロードを、すべて自分で繰り返す必要があります。③はその繰り返しをサービス側が引き受けます。ここが実際の作業時間にいちばん効きます。
「LINEスタンプ 作成 無料」はどこまで無料なのか
比較の前に、費用の前提をはっきりさせておきます。ここを誤解したまま比べると、「無料の選択肢があるのに、なぜ払うのか」という肝心の判断ができません。
つまり、お金がかかるのは次の2パターンだけです。
| 費用がかかる場面 | 金額の目安 | |
|---|---|---|
| ① | プロ・個人のクリエイターに制作を代行してもらう | 数百円〜数万円台。依頼先によって幅がとても大きい |
| ② | AI自動生成サービスを使って一括で作ってもらう | 相場は数百円台(STAMP ENGINEは8個セット¥500〜) |
AIスタンプ作成サービスを比較する8つの観点
ここからが本題です。順位表ではなく、自分で確かめるためのチェックリストとして使ってください。
| # | 観点 | 確認すること |
|---|---|---|
| 1 | 対応する入力 | 写真だけか、ことば(説明文)だけでも作れるか、両方いけるか。手元に良い写真が無い人はここで決まります |
| 2 | 生成の単位 | 1枚ずつ自分で作るのか、1回の入力で複数枚を一括生成するのか。LINEは最低8個必要なので、ここが作業量を8〜40倍に変えます |
| 3 | 複数枚でのキャラクターの統一 | 8枚並べたときに同じキャラクターに見えるか。1枚ずつ作る方式は、枚数が増えるほど絵柄がばらけます |
| 4 | 生成後の仕上げ | 背景の透過とLINE規定サイズへの変換が自動か、自分で別ツールを用意するか。ここが初心者の最大のつまずきどころです(後述) |
| 5 | 操作の有無 | 自分でプロンプトを書いて試行錯誤するのか、一度の入力で完成まで進むのか |
| 6 | 必要な環境 | アプリのインストールが必要か、ブラウザだけで完結するか。スマホの空き容量が心配な人、PCで作りたい人はここを見ます |
| 7 | 静止画か、動くスタンプか | アニメーションスタンプを作りたいなら、対応している手段は限られます |
| 8 | 商用利用と支払いのタイミング | 生成物をLINEで販売してよいか(利用規約)。そして先払いか、仕上がりを見てから払えるか |
特に 2・3・4 の3つは、完成までの時間に直接効きます。1枚あたりの絵がどれだけきれいでも、8枚そろえてキャラクターが揃っていなければスタンプセットにはなりません。
いちばん差が出るのは「一括生成」かどうか(実測値)
観点2の「一括生成」がどれくらい効くのか、STAMP ENGINEの実測値で示します。いずれも本番サーバーの生成ログから取った数字です。
| 項目 | 実測 |
|---|---|
| 1枚あたりの生成時間 | 約45秒 |
| 無料プレビュー4枚が出るまで | 1〜2分 |
| 購入後、8個セットが完成するまで | 数分以内 |
枚数に比例して待たされるわけではないのは、複数枚を並行して生成しているからです。一方、④の汎用AI自己操作型で同じことをすると、「指示を書く → 出力を見る → 前の絵と違うので直す → 背景を抜く → サイズを直す」を8〜40回くり返すことになります。慣れている人でも1枚あたり数分はかかるので、ここが有料サービスに払う金額の中身です。
背景透過とサイズ変換でつまずくところ(実装して分かったこと)
観点4の「生成後の仕上げ」を軽く見ると、いちばん時間を溶かします。ここは自分たちで実装してみて分かったことを、そのまま共有します。
まず、LINEの規格は背景の透過が必須です
| 項目 | 公式の規定 |
|---|---|
| スタンプ画像 | 横370px × 縦320px(最大)/1個あたり1MB以下 |
| 個数 | 8個 / 16個 / 24個 / 32個 / 40個 から選択 |
| メイン画像 | 横240px × 縦240px |
| トークルームタブ画像 | 横96px × 縦74px |
| 背景 | 透過にする |
| 余白 | 外枠とコンテンツの間に10pxぐらい |
| その他 | PNG形式/サイズは偶数px/解像度72dpi以上/カラーモードRGB/ZIPは60MB以下 |
出典: LINE Creators Market 制作ガイドライン(2026年9月16日に確認)
画像生成AIは、そのままでは透過画像を出せないことがあります
多くの画像生成AIは透過(アルファチャンネル)に対応していません。そのため実務では「白い背景で生成して、あとから白い部分を透明にする」という手順になります。これが素直に通らないのです。
対策として、色ではなく形で判断する処理を入れています。不透明な部分をいったん膨らませて細いすき間をふさぎ、「画像の外周からたどり着けない透明領域=内側にあいた穴」を検出して埋め戻す、という方法です。正常な画像では内部の穴が0.0%、不具合が出た画像では9.7%と、はっきり分離できました。
ここで言いたいのは技術自慢ではなく、「背景を抜く」は自動化するとこれだけ落とし穴があるということです。無料ツールを組み合わせて自分でやる場合、この手当ては自分で気づいて自分で直すことになります。比較するときは「仕上げまで面倒を見てくれるか」を必ず確認してください。
LINE公式アプリと、AI自動生成サービスの違い
「公式アプリが無料なら、それでいいのでは?」という疑問はもっともです。違いを整理します。
| ① 公式アプリ型 | ③ AI自動生成型 | |
|---|---|---|
| 費用 | アプリは無料 | 有料(相場は数百円台) |
| 作り方 | 写真・動画を自分で切り抜いて1枚ずつ | 写真またはことばから一括生成 |
| 動くスタンプ | 作れる(動画から作成) | 静止画のみのサービスが多い |
| 必要な環境 | スマホアプリのインストール | サービスによる(ブラウザのみで完結するものもある) |
| 向いている人 | 手持ちの写真が既にあり、自分の手で仕上げたい | 枚数をそろえる作業を省きたい/元の写真が無い |
「AIだけで作ったスタンプは審査に通らない」は本当か
AIでスタンプを作ろうと調べていると、「AIで自動生成しただけのものは審査対象外になる」「自分で加筆したり手書き文字を入れたりする“クリエイターの工夫”が必要」という説明をよく見かけます。有料サービスを使おうか迷っている人には、いちばん気になるところだと思います。
そこで、LINE公式の「スタンプ審査ガイドライン」を最初から最後まで確認しました。
実際にガイドラインで却下の理由として並んでいるのは、次のような項目です。
| 分類 | 却下されるものの例(抜粋) |
|---|---|
| 1. 画像 | 定めるフォーマットに合致しない/視認性が悪い(例: 横長な画像、8頭身キャラクターの全身)/全体のバランスを著しく欠く(例: 淡色ばかり)/ロゴのみ/単純なテキストのみ/文字に誤りがある |
| 2. テキスト | タイトル・説明文に告知文言やURLが入っている/絵文字や機種依存文字が入っている |
| 5. 権利・法律 | 知的財産権の侵害/権利の所在が明確でないもの(例: 二次創作)/肖像権・パブリシティ権の侵害(例: 許諾を得ていない人物の顔、似顔絵)/権利者からの許諾が証明できないもの |
出典: LINE Creators Market 審査ガイドライン(2026年9月16日に全文を確認。項目番号は同ガイドラインのもの)
まとめると、「AIを使ったから落ちる」のではなく、「AIを使おうが使うまいが、画像の質と権利関係で落ちる」というのが公式の書きぶりです。AIで作る場合に自分で気をつけるべきは、次の2点に集約されます。
- 他人の顔を無断で使わない。ガイドライン5.3が明確に禁じています。自分や、同意を得た人の写真だけを使ってください
- 既存のキャラクターに似せない。5.1・5.2に当たります。「○○風」という指示は、そのまま権利侵害の入口になります
なお、STAMP ENGINEでは申請時にAI利用の申告を推奨しています。隠すべきものではありません。
STAMP ENGINEの位置づけ(有料サービスです)
比較の観点を出した以上、自分たちがどこに立っているかも書いておきます。
| 観点 | STAMP ENGINE |
|---|---|
| 1. 入力 | 写真1枚、またはことばだけでも可(元の写真が無くても作れます) |
| 2. 生成の単位 | 1回の入力で表情違い8〜40枚を一括生成 |
| 3. キャラクターの統一 | 同じキャラクター設定を全枚数に通して生成 |
| 4. 仕上げ | 背景透過・LINE規定サイズへの変換・ZIP書き出しまで自動 |
| 5. 操作 | プロンプトを書く必要なし。気に入らない1枚だけの再生成は可能 |
| 6. 環境 | ブラウザのみ。インストール不要 |
| 7. 静止画 / 動く | 静止画のみ(アニメーションスタンプは非対応) |
| 8. 商用利用 / 支払い | 購入した方は商用・非商用を問わず利用可。LINE Creators Marketでの販売も可(利用規約)。無料プレビュー4枚を見てから購入(後払い) |
価格は個数で決まります。
| セット | 価格 |
|---|---|
| 8個セット | ¥500 |
| 16個セット | ¥980 |
| 24個セット | ¥1,380 |
| 32個セット | ¥1,780 |
| 40個セット | ¥1,980 |
よくある質問
Q. AIで作ったスタンプは、LINEの審査に通りますか
AIを使ったこと自体を却下の理由にした項目は、公式の審査ガイドラインには存在しません(前の節で全文を確認しています)。見られるのは画像の質と権利関係です。他人の写真・キャラクター・ロゴを無断で使っていないかは、作り方にかかわらず自分で確認する必要があります。審査で見られる観点はLINEスタンプ申請の手順にまとめています。
Q. 無料のAIツールだけで完結できますか
できます。ただし、背景の透過とLINE規定サイズへの変換は自分でやることになります。この記事の「背景透過とサイズ変換でつまずくところ」で書いたとおり、ここが想像よりも手強い部分です。
Q. 動くスタンプ(アニメーション)は作れますか
STAMP ENGINEは静止画のスタンプセット専用です。動くスタンプを作りたい場合は、動画から作成できる公式アプリ型が向いています。
Q. 何個のセットにするか迷います
最小は8個です。審査をリクエストしたあとは個数を変更できません(公式規定)。迷ったら8個から始めるのが無難です。個数とサイズの関係は画像サイズ・規格の記事にまとめています。
Q. 手元に良い写真がありません
ことば(「茶トラの猫、丸っこいデフォルメ」など)だけでも作れるサービスを選んでください。観点1がそのための確認項目です。写真から作る場合のコツはAIで似顔絵スタンプを作るコツにあります。
まとめ — 目的別の選び方
| あなたの状況 | 向いている分類 |
|---|---|
| お金をかけたくない/作るのは1〜2枚 | ① 公式アプリ型・② 写真加工アプリ型 |
| 動くスタンプを作りたい | ① 公式アプリ型 |
| AIの操作そのものを楽しみたい/すでに使い慣れている | ④ 汎用AI自己操作型 |
| 8〜40枚をそろえる作業を省きたい/元の写真が無い/仕上げまで任せたい | ③ AI自動生成型 |
比較記事の順位は入れ替わりますが、観点は古くなりません。新しいサービスを見つけたら、上の8つの観点に当てはめてみてください。それだけで「自分に合うかどうか」はほぼ判断できます。
③のAI自動生成型がどんなものか試したい場合は、STAMP ENGINEで無料プレビュー4枚まで確認できます。仕上がりを見てから購入するかどうかを決められます。作り方の全体像はLINEスタンプの作り方をご覧ください。